外的な環境により、皮膚の潤い状態は左右されます。皮膚に最適な湿度は60%~65%と言われていますが、上記のグラフの通り秋~冬にかけて、気温とともに湿度も低下。11月の平均湿度は59%、12月は52%と乾燥し、肌から水分が蒸発しやすくなります。
乾燥により正常な角質のターンオーバーが滞ると、古くなった角質細胞が肌の表面に堆積し、やわらかさが失われ、ざらつき・ごわつきの原因にもなります。その結果、きめが乱れて肌のツヤや透明感も失われます。美しい肌を保つためには、常に肌の潤いをキープすることが重要です。
皮膚の老化を加速させる主な外的環境要因としては、紫外線や酸化ストレスなどの他、乾燥があげられます。
乾燥によりシワやきめの乱れ、たるみなどが引き起こされます。特に目のまわりなど、皮膚が薄く、皮脂分泌量が少ない部分は乾燥を原因とする小じわが目立ちやすくなります。さらに、メラニンを含む古い角質が肌表面に堆積すると、くすみやシミの原因の一つになります。
■ スキンケア
- 春夏と秋冬では皮脂の分泌量などが変わるため、季節に応じたスキンケア製品を選びましょう。
自分の肌にあった同じブランドのスキンケア製品でも、春夏は「さっぱりタイプ」、秋冬は「しっとりタイプ」を選ぶなど、使い分けましょう。 - まばたきをしたり、口を大きく動かしたりしたときに軽いつっぱり感や不快感を感じる場所はありませんか?そうした場所(目元、口元、頬など)は特に乾燥しているので、重点的に保湿しましょう。
- 化粧水や乳液タイプの保湿剤は肌に浸透しやすいですが、それだけでは油分が不足しがちです。
油分の多いクリームを重ね塗りするなどして水分の蒸発を防ぎましょう。 - 肌に浸透させるために化粧水や保湿剤を塗布した後に強くパッティングをして反対に肌に赤味がでたり、肌を痛めている患者さんがいらっしゃいます。特に、敏感肌の人は手のひらでやさしく肌を包み込むようにしてなじませましょう。
- 秋~冬も紫外線は肌に降り注いでいます。肌老化や肌のバリア機能低下の原因にもなるため、日やけ止めは1年中しっかり塗布しましょう。メイクの下地として使える日やけ止めが簡単で使用感もよくおすすめです。
■ 入浴時・入浴後
- かゆみを生じるほどの高い温度での入浴は避けましょう。
- 木綿製のタオルなどでやさしく洗い、強くこすらないようにしましょう。
- 皮脂を取りすぎる、洗浄力の強い洗顔料やボディソープは避けましょう。
- 入浴後はすぐに全身を保湿剤で保湿し、保湿剤は肌になじみのよい、べたつかないものを選びましょう。
■ その他のアドバイス
- ストールや手袋などで、乾燥した冷たい風による顔や手の水分蒸発を防ぎましょう。ただし、静電気のおきやすい化学繊維よりも、摩擦による刺激も少ない天然素材が好ましいです。
- 室内では加湿器などを利用して、肌に理想的な湿度(60-65%)を保ちましょう。
- エアコンは乾燥しやすいので、長時間つけたままにするのは止めましょう。また洗濯物を部屋に干すと、乾燥した部屋の空気を加湿してくれます。
- 寝具は肌にやさしい素材で、吸水性が高いものを選びましょう。睡眠中に寝具の刺激によるチクチク感やかゆみが原因で、気付かないうちに肌をかいてしまうと、さらに乾燥する結果になります。
院長 戸佐 眞弓先生
日本形成外科学会専門医
東京女子医科大学卒業 医学博士
女性医師として、自分自身が受けてみたいと思う治療を患者さんに提供することを、ポリシーとしております。特に、エイジング、スキンケアといった点について形成外科、皮膚科の両面から取り組み、個々の患者さんにとってベストな治療を選択し行っています。これからの高齢化社会のなかで、男女を問わずいくつになっても若々しく、綺麗でいたいと思う姿勢が大切だと思っておりますので、綺麗で、楽しく歳を重ねていくための最新の治療を提供していきます。