洗顔後の肌はとても乾燥しやすい状態
今や多くの女性にとって常識となっていますが、みなさんは洗顔後の肌が敏感や乾燥していると感じたことは ありませんか?
ラ ロッシュ ポゼが女性515人に行った調査では、なんと94%もの人が、「洗顔後、すぐにスキンケアしたくなる」と回答しています。ここから、多くの女性が洗顔後の乾燥感に不安を感じているということが分かります。そんな洗顔後の乾燥を引き起こす要因の一つとして考えられるのが今回のテーマである「肌のpHバランス」の乱れ。その詳しいメカニズム、そして防ぐためには洗顔料の選び方が鍵となります。今回は山王メディカルクリニックの宮地先生に詳しく聞いてみました。
実は洗顔後の乾燥の原因の一つとして考えられるのが「肌のpHバランス」です。
そしてこの「pHバランス」ですが、弱酸性に保つことが健康な肌を握る鍵になるといわれています。
ここからは、pHバランスや肌に弱酸性が欠かせない理由をご紹介します。
「pHバランス」のpHとは、水素イオン濃度指数のことを指しています。
このpHが少ないと酸性に傾き、多いとアルカリ性に傾いていることになり、0~14の数字の中で7に当たる部分が中性と呼ば れています。
健康的な肌のpHは4.5~6.0の弱酸性です。健康的な肌を基準として、脂質肌なほどpHは酸性(4.5)に傾き、乾燥肌なほどpHはアルカリ性(6.0)に傾いています。肌が弱酸性に保たれていると、肌トラブルの素になるブドウ球菌が住みにくくなることから、pHバランスを4.5~6.0である弱酸性に保つことが大切だと言われています。
このpHバランスが乱れてしまうと、乾燥やニキビ、炎症などの肌トラブルを引き起こす原因の一つに。
敏感肌*1の人は特にこの「pHバランス」が乱れると、肌のバリア機能*2 を乱すことにもなるので、より意識をすることが重要です。
肌のバリア機能*2 とは、外部の刺激から肌を守ったり、肌の内部にもっている水分を保持したりする機能のことです。私たちの 肌表面は、角質細胞と呼ばれる細胞が下の図のようにブロック状に積み重なり、角質層を形成し、バリア機能 *2を果たしていま す。しかし、この角質細胞がバランスを崩すと、隙間から外部の刺激物(異物やばい菌)が簡単に侵入したり、肌内部の水 分が蒸発しやすくなります。すると、 水分が足りなくなってカサカサ乾燥したり、かゆみや赤みなどを引き起こしてしまうのです。
そんな肌を弱酸性に保つ為には、正しい洗顔料の選び方が重要です。
日々何気なく選んでいる洗顔料の中には、「pHバランス」を乱す可能性のあるアルカリ性の物質でできた物があります。
敏感肌*1 で悩む人が毎日使う洗顔料は、 肌に刺激を与えず優しく洗い上げることができるアミノ酸系洗浄料や、 保湿成分がしっか り配合された商品 を選ぶなど、肌への負担を減らす工夫が必要です。
しっかり洗顔しているのに、肌が乾燥する、肌にかゆみを感じやすいなどといった悩みを年中抱えている人はもしかしたら洗顔の方法が間違っているのかもしれません。
誤った洗顔方法を続けていると、お肌にとても大きなダメージを与えていることになります。
健康的で美しいお肌を維持するためには、まず自分のお肌にあった洗顔料/洗顔剤を選び、そして正しい洗顔方法でお手入れを することが重要です。
泡立てがうまくできないという場合は、泡立て用のネットを使うことをおすすめします。
毛穴や肌荒れや感想が進むなど様々なトラブルを引き起こす原因となります。
肌荒れの原因となり、洗顔後の保湿ケアも浸透しにくくなります。
たっぷりの泡で洗顔をした後は、すすぎ残しがないように丁寧に流しましょう。
長時間かけて洗顔をしていると、肌に負担がかかります。
また、必要な皮脂までも洗い落とし、乾燥など肌トラブルを招きます。
*2 角質層
*3 乾燥
山王メディカルクリニック院長
宮地百子
慶應義塾大学病院皮膚科研修医、国立霞ヶ浦病院、東京都済生会中央病院皮膚科勤務を経て渡米、米国マイアミ小児病院皮膚科およびマイアミ大学皮膚科にてニキビ治療などを中心とした臨床を学ぶ。帰国後は都内総合病院皮膚科、美容皮膚科等を兼職し、平成26年4月山王メデイカルクリニックを開院。