教えて! Doctor
ニキビと聞くと、思春期の頃にできるイメージがありますが、実は大人になってから発症するケースも珍しくありません。世界では、20歳〜29歳の女性のなんと2人に1人がニキビを発症していると言われています。
特に女性にとってニキビは大きな精神的な影響があり、QoL(生活の質)を著しく下げてしまうこともわかっています。
そんな大人ニキビの疑問を、原因や予防方法を中心に、皮膚科医の小林智子先生に伺っていきましょう。
思春期ニキビと大人ニキビとの違いは?
まず思春期ニキビは、10代の頃に発症するもので、皮脂が分泌されやすいTゾーンと呼ばれる、おでこ・鼻にできやすいのが特徴です。
主な原因は、過剰な皮脂の分泌による毛穴詰まりによるものです。
一方大人ニキビは、20代以降に発症するもので、比較的皮脂分泌が少ないUゾーンと呼ばれる、顎・フェイスラインに繰り返しできやすい難治性のニキビが特徴です。
思春期ニキビではニキビの初期段階であるコメド(面ぽう)を認めやすい傾向がある一方、大人ニキビではコメドが発展した炎症性のニキビを認めやすいという特徴もあります。
大人ニキビの原因は?
様々な原因が複合的に組み合わさって起こることがあり、人によってまちまちです。
ホルモンや遺伝の他にストレス、不規則/アンバランスな食生活、睡眠不足等が挙げられ、一般的には生活リズムの乱れが大人ニキビの原因となりやすいといわれています。
また、特に成人女性の多くは月経前にニキビが悪化することがあります。
これは黄体ホルモンという男性ホルモンに似たホルモンの分泌の影響で、皮脂の量が増え毛穴がつまりやすくなることによるものです。
大人ニキビの予防方法は?
大人ニキビも思春期ニキビもどちらも防ぐためには、肌を清潔に保ったり、規則正しい食生活を心掛けたり、ストレスを溜めないようにしたりすることが重要です。
しかしQUESTION2でもあったように、大人ニキビの原因は複合的ですべてを心掛けることは難しく、いくら気を付けてもニキビができてしまうことはあると思います。
重要なのは、ニキビができる前に予防ケア(角質ケア)すること、ニキビを出来にくい肌作りをすることです。
ニキビができる前の予防ケア(角質ケア)方法は?
肌のざらつき、ごわつきが気になりだしたら、古い角質が溜まっている証拠です。
古い角質は、放っておくとニキビ菌の増殖に繋がり炎症したニキビに発展してしまうので、ニキビができる前に古い角質は予防ケアしましょう。
具体的には、角質柔軟作用があるサリチル酸*1や、抗炎症作用があるグリチルリチン酸ジカジウム*1、バリア機能をサポートするナイアシンアミド*2が配合されている製品などがおすすめです。
他にも、ノンコメドジェニックと記載されているものや、オイルフリー製品を選ぶのもおすすめです。
こういったスキンケアを選ぶことは、ニキビができにくい肌を作ることに繋がります。
ニキビができてしまったときは?
もしニキビができてしまったら、まずは患部を清潔に保つことが大切です。触ってしまうと悪化することもありますので、つぶしてしまうなどはNG。
早めに皮膚科に診察に行きましょう!
早めに皮膚科に診察に行きましょう!
Doctorが解説
皮膚科で処方されたニキビ薬は、ニキビを改善できるメリットがありますが一方で肌のバリア機能が低下し乾燥を引き起こすことも多く見受けられます。一緒に保湿剤をうまく使うことで肌のバリア機能のサポートすることを意識しましょう。
また、ニキビができた時は化粧品を使わない方がよいと考え、素肌で過ごす方も多いかと思います。
炎症が起こっているニキビは紫外線に当たると跡に残ってしまうことも多いため、日やけ止めは必ず使用しましょう。
その際は、ノンコメドジェニックの製品や、低刺激の製品を選ぶことが重要です。
いかがでしたか?
・大人ニキビは生活リズムの乱れ=古い角質の蓄積によっておこる
・ニキビができる前に、古い角質を予防ケアすることが鍵
・ニキビが出来たら皮膚科に!
・ニキビができても、保湿ケア・UV対策は徹底
いくら生活習慣に気を付けていても、気づいたら出来てしまう大人ニキビ。
日ごろから、ニキビが出来やすいタイミングを把握したり、肌の調子を観察することで、角質ケア・保湿ケア・UV対策といった適切な予防ケアを心がけましょう。
また、ニキビができたら皮膚科医に相談してみましょう。
・大人ニキビは生活リズムの乱れ=古い角質の蓄積によっておこる
・ニキビができる前に、古い角質を予防ケアすることが鍵
・ニキビが出来たら皮膚科に!
・ニキビができても、保湿ケア・UV対策は徹底
いくら生活習慣に気を付けていても、気づいたら出来てしまう大人ニキビ。
日ごろから、ニキビが出来やすいタイミングを把握したり、肌の調子を観察することで、角質ケア・保湿ケア・UV対策といった適切な予防ケアを心がけましょう。
また、ニキビができたら皮膚科医に相談してみましょう。
まとめ
・成人後もニキビに悩む人は多い・大人ニキビは、Uゾーンに繰り返しできやすい難治性であったり、コメドが発展した炎症性のものが多い
・大人ニキビの原因は複合的であるが、一般的には生活リズムの乱れが起因するとされる
・ニキビができる前に古い角質は予防ケアすること、ニキビを出来にくい肌作りをすることが重要!
・ニキビが出来てしまったら早めに皮膚科へ。
小林智子 先生
皮膚科専門医。医学博士。日本医科大学卒業後名古屋大学大学院皮膚病態学にてアトピー性皮膚炎について研究。
2015年よりNorthwestern大学へポストマスターフェローとして臨床研究に従事。
食事と健康に関してレシピや情報などを医学的な立場から発信する「ドクターレシピ」の監修を行う。