シミの予防法｜スキンケアや敏感肌にも
おすすめな美白成分、生活習慣を徹底解説

①メラニンの生成指令が出る

表皮細胞が紫外線や摩擦などの刺激を受けると、メラノサイトに「メラニンをつくれ！」という情報伝達物質が出されます。メラニンには、紫外線を吸収する大切な役割があります。メラニンを生成するのは、再び紫外線の刺激を受けた際に、肌内部を守ろうとする防御反応です。

②メラニンが過剰に生成され始める

メラノサイトに指令が伝わると、メラニンがつくられ始めます。メラニンの初めの色は無色透明ですが、「チロシナーゼ」という酸化酵素の働きにより、褐色のメラニンに変化します。

③ターンオーバーで押し上げられる

メラニンが一定量に達すると、メラノサイトの突起を通して周辺の表皮細胞に送りこまれます。メラニンを含んだ表皮細胞は、ターンオーバー（細胞の生まれ変わり）とともに表皮の表面に押し上げられます。

④メラニンが蓄積するとシミになる

表皮細胞は最終的に、メラニンを含んだまま「角質」となって剥がれ落ちます。ターンオーバーが正常であれば、メラニンは皮膚表面に蓄積しません。しかしメラニンが過剰生成され続ける、ターンオーバーのサイクルが遅くなる、などの影響でメラニンが肌に蓄積すると、シミになってしまいます。

シミができる4つの原因

シミの発生には紫外線の影響をはじめ、日々のスキンケアや生活習慣が関係しています。原因を詳しく見ていきましょう。

紫外線の影響

夏や屋外レジャーで浴びる紫外線だけではなく、日々の「生活紫外線」にも要注意。紫外線は春から初秋にかけて、半年ほど強い時期が続きます。紫外線が弱くなる冬でも、照射量がゼロになることはありません。

肌に影響を与える紫外線はUVAとUVB。中でもUVAは波長が長く、雲や窓ガラスを簡単に通り抜けて屋内にも入ってきます。雨や曇りの日、家の中でも、知らず知らず紫外線を浴びていることがあります。

屋内でも紫外線対策が必要な理由は「家の中でも日焼け止めは必須！肌に与える紫外線の影響と日焼け止めの選び方」をご覧ください。

間違ったスキンケア（摩擦）

肌を摩擦すると刺激になり、シミをつくる原因になります。次のようなスキンケアを行っていないか、振り返ってみましょう。

＜間違ったスキンケア＞

• クレンジングや洗顔のときに、ゴシゴシこするように洗う
• 化粧水をつけるときに叩き込む
• 乳液やクリームをすり込むように塗る

また肌表面の角質層は、紫外線の刺激をはね返し、うるおいを保つ「バリア機能」も担っています。肌をこすると角質層が傷つき、バリア機能が低下してしまいます。敏感肌の原因にもなるので注意しましょう。

生活習慣の乱れ

睡眠不足や栄養の偏りなど、生活習慣が乱れていると、皮膚のターンオーバーも乱れてしまいます。喫煙やアルコールの摂りすぎ、食品添加物の多い食事などは、体内の活性酸素を増やす要因です。活性酸素は、メラニン生成指令を出す情報伝達物質の1つとしても確認されています。

過度なストレス

ストレスも活性酸素を増やすため、メラニンの生成を促進する原因です。さらにストレスを感じ続けると、ターンオーバーの乱れやホルモンバランスの乱れも引き起こします。女性の場合、ホルモンバランスが崩れるとシミができやすくなります。

シミの予防法｜美白成分でメラニン生成を抑制

シミ予防には、メラニンの過剰生成を防ぐ美白成分配合の化粧品でケアするのが効果的です。いま注目されている美白成分は、ナイアシンアミド。ビタミンB3（ニコチン酸アミド）とも呼ばれるビタミンB群の1種です。

ナイアシンアミドはメラニンの過剰生成を抑えて、シミ・そばかすを防ぐ効果があります。シミ予防の他にも、シワ改善や保湿効果も優れています。角質層のバリア機能をサポートする働きもあり、外部刺激を受けやすい敏感肌にも使える成分です。

ナイアシンアミドの詳しい効果については、「ナイアシンアミドとは？注目すべき理由と美容効果│敏感肌におすすめの成分5選も」をご覧ください。

ナイアシンアミド以外にもさまざまな美白成分があり、各社独自に開発している成分もあります。シミ予防は、美白効果が期待される化粧品でケアするのがおすすめです。

シミの予防法｜日々のスキンケアを徹底

シミの予防には紫外線対策をはじめ、肌に刺激を与えないようなスキンケアが大切です。皮膚内部でメラニンが過剰生成されないスキンケアを意識しましょう。

毎日の日焼け止めを欠かさずに

日焼け止めはスキンケアの一環として毎日塗るのを日課に。ムラにならないように、適量を守って塗りましょう。クリームタイプはパール2粒分が目安です。

＜日焼け止めの塗り方＞

1. 日焼け止めを手に取る
2. おでこ・鼻先・両頬・あごの5点にのせる
3. 顔の内側から外側に向かって、全体に優しく伸ばす
4. 日焼けしやすく皮脂で落ちやすい頬とTゾーンは重ね塗りする
   ※重ね塗りの使用量はパール粒1個分ほど

＜日焼け止めの選び方＞
UVAとUVBの両方から肌を守れるものを選びましょう。UVAはシワやたるみの他に、シミの原因になり老化を進めます。UVBは炎症を引き起こし、サンバーン（赤くなる日焼け）やシミの原因に。UVAとUVBの防御効果は、PAとSPFの値で確認できます。

【PA】UVAから肌を守る目安
UVAの防御効果が「PA+～PA++++」の4段階で表示されています。「+」の数が多いほど高い効果があります。

【SPF】UVBから肌を守る目安
SPFの数値は「UVBによる肌ダメージが現れる時間を何倍遅らせるか」を示しています。例えば、SPF10なら日焼けを10倍遅らせるという意味です。SPF50以上はSPF50＋と表示されます。

日焼け止めは毎日使うものなので、刺激になりにくいものがおすすめです。SPF50＋でありながら敏感肌にも使える日焼け止めもあるので、チェックしてみてください。

肌に優しいケアと十分な保湿

肌に摩擦刺激を与えないスキンケアを心がけましょう。

＜クレンジング＞
適量を手にとり、優しくメイクになじませて落とします。量が少ないと摩擦を起こしやすくなるので注意を。

＜洗顔＞
ゴシゴシこするのは厳禁。洗顔料はネットなどを使ってキメの細かい泡をつくってください。優しく大きな円を描くように、10秒を目安にぬるま湯で洗い流します。タオルで軽く押さえるようにして水分を取ります。

＜保湿＞
洗顔後は肌の水分が蒸発しやすいので、なるべく早く化粧水で保湿を。顔全体を包み込むように優しくハンドプレスするのがおすすめです。化粧水が肌になじんだら、美容液やクリームを塗り、うるおいが逃げないよう蓋をします。

シミの予防法｜ターンオーバーを促す生活習慣

シミ予防には、栄養バランスの良い食事や質の良い睡眠をとることも大切です。

さまざまな食材を食べる

紫外線の影響を受けにくくするといわれているのは、抗酸化作用があるビタミンCやビタミンAです。これらのビタミンがうまく利用されるには、肌の材料となるたんぱく質も欠かせません。偏らずに、さまざまな食材を食べるようにしましょう。

栄養素	多く含まれる食べ物
ビタミンC	イチゴ・キウイ・赤パプリカ・カリフラワー・ジャガイモなど
ビタミンA	ニンジン・カボチャ・ホウレンソウ・トマトなど
たんぱく質	肉・魚・卵・乳製品・大豆食品など

深く質の良い睡眠を

質の良い眠りをとると成長ホルモンが分泌され、ターンオーバーも促されます。寝る直前まで脳が活発に働いていると、寝つきが悪く眠りも浅くなります。寝る前は照明を暗めにして、軽めのストレッチをしたり、難しくて眠くなるような本を読んだりして過ごすのがおすすめです。

スキンケアと生活習慣を見直してシミ予防を徹底しよう

シミの元になるメラニンは、紫外線や摩擦などの刺激によって過剰生成されます。シミ予防には、日焼け止めや美白成分配合の化粧品によるスキンケアで、メラニンの過剰生成を抑制するのが効果的です。ターンオーバーが乱れないような生活習慣も心がけて、シミを予防しましょう。