紫外線の種類と肌への影響は?日焼け止めの勘違いあれこれもチェック
日焼けやシミなど、紫外線による肌トラブルはよく知られていますよね。でも対策方法については、意外と勘違いしている人が多いようです。ラ ロッシュ ポゼの調査では「紫外線対策は1年中行うべき」と思っている人はわずか23%*!紫外線の種類と特徴、日焼け止めの選び方を押さえて、しっかり対策しましょう。
紫外線とは、太陽からの光の一つ。太陽からの光には、赤外線、可視光線、紫外線の3つの種類があります。3つの中で、紫外線は最も波長が短く、肌のすこやかさに影響を及ぼす光線です。
紫外線の種類と作用の違い
紫外線は、波長の長さによりUVA・UVB・UVCの3つに分けられています。それぞれで作用が異なり、波長が短いほど肌や目に与える影響が大きくなります。
UVA(長波長紫外線)
最も波長が長い紫外線で、ほとんどが地表に届き、肌の奥深くまで到達。地表に届く全紫外線のうち、約95%をUVAが占めています。UVBに比べれば肌や目への影響は小さいですが、長い時間をかけて浴びると、肌に影響を与えます。
UVB(中波長紫外線)
オゾン層に遮られ、大気圏で吸収される分もありますが、一部は地表に到達します。現在は、オゾン層の破壊により、地表に届くUVBの増加が懸念されています。
UVC(短波長紫外線)
紫外線の中で最も有害作用が強いのがUVCです。しかし、上空のオゾン層や空気中の酸素分子で遮られるため、地表には届きません。
紫外線の種類別・肌への影響
紫外線の中で、地表に届くのはUVAとUVB。それぞれ肌にどのような影響を及ぼすのか紹介します。
UVA:老化を進める
紫外線の中でも最も波長が長いUVAは、肌の奥にある真皮にまで到達します。真皮を構成するコラーゲンに影響を与え、ハリの低下やシワ、たるみを引き起こします。
またUVAの刺激を受けたメラノサイト(色素細胞)は、メラニン色素を過剰に生成。シミや黒っぽい日焼け(サンタン)の原因にもなります。
UVAは雲や窓ガラスを通過するため、日差しが少ない曇り空の日も、家の中にも降り注ぎます。日常生活の中で知らず知らず浴び続けると、肌にダメージが蓄積することに…。季節や天気、場所を問わず紫外線対策を行いましょう。
UVB:炎症を引き起こす
UVBの一部は肌の奥まで到達しますが、そのほとんどは表面の表皮にとどまります。とはいえ表皮に大きな影響を与え、腫れやヒリヒリとした痛み、赤みなどの症状(サンバーン)が現れます。
これらの症状が現れた肌は、防御反応によってメラニン色素を大量につくります。メラニン色素は紫外線をよく吸収するため、次の紫外線に備えて肌を守ろうとするのです。
さらにUVBは、細胞にある遺伝子組織(DNA)に影響を与え、皮膚がんの要因にもなります。
夏だけ強いと思っていませんか?季節ごとの紫外線量の変化
紫外線は夏に強くなるイメージですが、実は春から初秋にかけて、半年ほど強い時期が続きます。また紫外線が弱くなる冬でも、照射量がゼロになることはありません。UVAとUVBはどちらも1年中降り注ぐため、うっかり日焼けに注意が必要です。
また弱い紫外線でも、長い期間浴びれば、強い紫外線を短時間浴びた場合と同じ影響を受けることもあります。前述の通り、UVAは雲や窓ガラスを通り抜けてしまいます。季節や天気、室内外を問わず、毎日日焼け止めを使うことが理想的です。
実は誤解している?日焼け止めの選び方
店頭に並ぶ日焼け止めを見ると、SPFの表示が目をひきますよね。SPF値の違いは「効果の高さ」と誤解されがちですが、実は「時間」の違いを表わしています。
またSPF値だけで日焼け止めを選んでしまうと、うっかり日焼けの原因に…。SPFはUVBを、PAはUVAの防御効果の目安になる表示です。紫外線を効果的に防ぐためには、SPFとPAの両方の表示をチェックしましょう。
【UVA】PA表示をチェック
PAの表示は、UVAの影響により起こるサンタン(肌が黒くなる日焼け)を、どの程度防御できるかという目安になります。
表示の仕方は、PA+からPA++++までの4段階。「+」の数が多いほどUVAを防ぐ効果が高いとされます。
【UVB】SPF値をチェック
SPF値は、UVBによるサンバーン(肌の赤みや炎症を起こす日焼け)を、どの程度遅らせることができるかの目安です。
数値が大きいほど、日焼けのダメージを防ぐ時間が長くなります。SPF30とSPF50の日焼け止めを同じ量塗っても、SPF50のほうが紫外線を防御する時間が長くなる、ということです。
なおSPF50以上の場合は「50+」と表示されます。
迷ったら「高機能×敏感肌用」の日焼け止めを
「高SPF・高PAの日焼け止めを使いたいけれど、肌への負担が心配…」という人もいますよね。迷ったときは、SPF50+、PA++++と高機能でありながら、敏感肌用につくられた日焼け止めを選んでみてはいかがでしょうか。
● 皮膚科医協力のもとテスト済み
● アレルギーテスト済み
● 敏感肌用
などの表示があるかどうかをチェックしましょう。刺激になりにくい処方なので、敏感肌でも使用できます。
またリモートワーク中心で、ノーファンデの日が多い場合は、石鹸で落とせる日焼け止めがおすすめです。ダブル洗顔をしなくてすむので、より肌をいたわることができるでしょう。
日焼け止めの塗り方も肝心!より万全に対策しよう
心地よく使いやすい日焼け止めを選びつつ、ムラなく塗ることも重要です。使用量はパール2つ分を目安に、両頬・額・鼻・あご先の5点に日焼け止めを置き、少しずつ丁寧にのばすのがコツです。
詳しくは「日焼け止めは『適量』が大事!効果的な塗り方のポイントと注意点【動画解説付き】」の記事で紹介しています。
日焼け止めを効果的に使って、UVAとUVBをしっかり防ぎ、大切な肌を守りましょう。
*©lpsos/La Roche Posay - Sun exposure and risk associated - 2021/2022