【皮膚科医・友利新先生が解説】
ダーマコスメとは?
話題のダーマコスメにはどのような特徴があるのか、友利先生に解説していただきました。
ダーマコスメという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
ダーマコスメは、海外では既に広く知られているスキンケアカテゴリーです。例えばヨーロッパではヘルスケアプロフェッショナルに採用されていたり、ドラッグストアにダーマコスメのコーナーがある程です。
ダーマコスメは、専門的で、使用することでメリットを感じられそうな印象がある一方で、ドラッグストアや百貨店に行けば多様なコスメブランドがあるため、ダーマコスメをどのように活用するか、悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ダーマコスメとはどのようなもので、どういった方に向いているのか。
ダーマコスメのリーディングブランドであるラ ロッシュ ポゼを10年以上にわたり愛用し、2024年からはブランドアンバサダーをつとめる友利先生に、お話を伺いました。
ーー最近になり、美容メディアなどでダーマコスメという言葉を目にするようになってきました。ダーマコスメとはそもそもどのようなものなのでしょうか?
友利先生:ダーマコスメとは、『皮膚科学(ダーマトロジー)』と『化粧品(コスメ)』が合わさった造語で、皮膚科学に基づいたコスメのことを言います。
またラロッシュポゼでは、ダーマコスメとは皮膚科学に基づいて、さまざまな肌悩みに寄り添うため、厳選された成分をもとに開発した化粧品のこと、と定義されていますね。
ーー日本では、まだまだダーマコスメの認知度は高くないと思います。
(脚注:ラ ロッシュ ポゼが日本皮膚科学会総会に参加した皮膚科医に対して実施したアンケート(2023. N=157)の結果では、ダーマコスメについて「聞いたことがない」「聞いたことはあるが意味は知らない」と答えた割合が60%を超えた。)
日本と海外とで、ダーマコスメに対する扱いの違いを感じますか?
友利先生:昨年、ラ ロッシュ ポゼ主催の「DERMLIVE」に参加するためにフランスを訪問しましたが、フランスをはじめヨーロッパでは、皮膚の専門家が積極的に処方している事例もあり、ダーマコスメが人々の生活に身近な存在あであることを改めて実感しました。
例えばフランスのパリではほとんどの薬局にダーマコスメブランドの化粧品やスキンケア商品がずらりと並んでいたりします。
(脚注 *DERMLIVE:2023年にパリで開催されたスキンケアカンファレンス。世界中から皮膚の専門家を招き、肌に関する研究発表やスキンケアがQOLにもたらす影響に関するセッションなどを実施した。)
ーー皮膚の専門家も、ダーマコスメの使用を勧める場合があるのですね。ダーマコスメに限らず、コスメが販売される前には様々な研究や実験が実施されていると思いますが、ダーマコスメは他のコスメとどう違うのでしょうか?
友利先生:ダーマコスメは、さまざま研究結果をもとに製品開発がなされていて、さらに皮膚の専門家の協力もいただきながら、臨床試験なども重ねているとされています。
ーーダーマコスメは、どのような人が利用するべきでしょう。こんな肌質の人におすすめしているなど、目安はありますか?
友利先生: 誰にでもおすすめできるものですが、中でも肌トラブルの起こりやすいという自覚のある方に試していただきたいと思います。 また、皮膚科や美容医療の施術で出た肌効果を、長く保つ為のホームケアとしてダーマコスメが必要だと感じます。 健康な肌でいるためには、デイリーケアがとても重要。ひどくなってしまったときはもちろん医療機関を受診してほしいですが、その前段階として、日々ダーマコスメでのケアを取り入れていくことが日々のQOLを保つ観点でも重要だと考えています。
ーー肌に悩みを抱える方に、ぜひダーマコスメを日々のケアの選択肢として取り入れてほしいと思います。 海外では皮膚の専門家がダーマコスメを処方するケースがあるとのことでしたが、日本の医療現場で、ダーマコスメはどのような状況にありますか? 皮膚科医の間で話題にのぼったり、現場で処方される場合などはありますか?
友利先生: たとえばフランスと比べると保険制度の違いもあり、日本ではまだ医療現場での知名度が高いとは言えないのが現状だと思います。 しかし、多くの医療機関では、デイリーケアに用いるコスメとして、ダーマコスメを紹介・販売している場合があると聞いています。
ーー私達ラ ロッシュ ポゼも、ダーマコスメの普及にあたり様々な活動を行っています。今後ダーマコスメの普及のためにはどのような働きかけが必要でしょうか?
友利先生: ラ ロッシュ ポゼは日本国内でも、マーケティングはもちろんのこと、論文を作成したり学会に参加したり、アカデミックな場でも活動していますよね。 まずはダーマコスメを知っていただくことが第一歩だと感じます。そして肌悩みにあった処方や成分の提案を分かりやすくお伝えすること。効果はもちろん、安全性も高い。ダーマコスメのリーディングブランドとして情報発信することが必要だと思います。 このように、消費者視点で肌悩みに向き合い続ける姿勢こそが、ダーマコスメおよびダーマコスメブランドへの認知や信頼につながると思います。