ストレスで肌荒れするのはなぜ?対処法からストレス発散TIPSまで
仕事や人間関係で落ち込んだり、ストレスが溜まったりすると、肌荒れを起こしがちです。ストレスを感じると、決まって同じ場所に大人ニキビができるという人もいるでしょう。そのように、気持ちと肌の状態はリンクしています。ストレスによって肌が荒れるメカニズムや、肌荒れしたときのケア方法やストレス発散TIPSをチェックして、肌荒れが起きないよう早めに対処しましょう。
ストレスによって起こる肌荒れには、自律神経が関わっています。ストレスを感じると自律神経のバランスが乱れ、身体の機能に悪影響が及んで肌荒れを引き起こすことがあります。
ラ ロッシュ ポゼが行ったアンケート※からは、肌荒れが改善すると自分に自信が持てるようになり、QOL(生活の質)の向上につながることが明らかになりました。
※ラ ロッシュ ポゼ「スキンケアとQOL向上・ダーマコスメに関するアンケート」より
反対に、肌荒れが起こると気持ちが下がり「スキンケアに前向きになれない」といった悪循環に陥ってしまうことも…。肌と気持ちは相互に関係している、といえるでしょう。
現代人をとりまく4つのストレス
そもそもストレスとは、日常の外部刺激から生じる動揺や、緊張によって起こる反応のことをいいます。ストレスを与える外部要因(=ストレッサー)には、以下の4つが挙げられます。
- 心理的要因(不安や緊張など)
- 社会的要因(人間関係がうまくいかない、仕事が忙しいなど)
- 身体的要因(睡眠不足や疲労、病気など)
- 環境的要因(暑さ・寒さなどの天候や騒音など)
これらの要因が合わさってストレスを感じ、結果的に肌荒れにつながります。また日常生活における変化の一つである肌荒れそのものが、ストレッサーになることもあります。
ストレスによって肌荒れが起こるメカニズム
ストレスによって起こる肌トラブルには、大人ニキビ、赤み・かゆみ、乾燥が挙げられます。中でも、特に悩んでいる人が多いのが大人ニキビです。これは20代以降に発症し、同じ場所に繰り返してできやすい難治性のニキビで、フェイスラインや口の周りといった「Uゾーン」にできやすいのも特徴です。
前述したように、ストレスを感じると自律神経のバランスが乱れます。自律神経とは、呼吸をしたり心臓を動かしたり、身体の機能を調整したりするために働く2つの神経のことをいいます。
- 交感神経:身体を活発に動かすとき、緊張するときに働く
- 副交感神経:身体を休めるとき、リラックスするときに働く
自分の意思とは無関係に、交感神経と副交感神経がバランスを取りながら、身体の状態をベストに保つために働いています。
ところがストレスを感じ続けると、緊張状態で働く交感神経が優位の状態が続き、自律神経のバランスが崩れてしまいます。その結果、ターンオーバーやホルモンバランスの乱れなどにつながっていきます。
ターンオーバーの乱れ
自律神経のバランスが乱れると、血管が収縮し続けて血流が悪くなり、細胞に酸素や栄養が運ばれにくくなります。すると、皮膚の細胞が生まれ変わるサイクル(ターンオーバー)も乱れ、赤みやかゆみなどの症状がでることがあります。
ホルモンバランスの乱れ
女性の場合、ストレスによる自律神経の乱れから、男性ホルモンの分泌が増えることも。男性ホルモンのアンドロゲンは、皮脂の分泌促進や異常角化(角質細胞を過剰につくり出すこと)などの作用があります。増えた角質が毛穴を防ぐことで、皮脂が毛穴に詰まってしまい、大人ニキビができやすい状態になります。
肌荒れが起きたときのスキンケア
肌荒れ中の肌は、角質層のバリア機能が低下しているため、刺激に敏感になっています。刺激になりにくい、敏感肌用のスキンケア化粧品を選んでみてはいかがでしょうか。「アレルギーテスト済み」「皮膚科医の協力のもとテスト済み」などの表示があるかチェックしてみましょう。
敏感肌用のスキンケア化粧品を使い、①やさしく洗顔②しっかり保湿③紫外線対策の3つを実践してみてください。
やさしく洗顔
肌をこするように洗顔してしまうと、さらにバリア機能が低下して、肌荒れの悪化につながります。泡立てネットなどを使って気泡が小さくきめ細かい泡をつくり、大きな円を描くようにやさしく洗いましょう。
詳しくは「【動画で解説】ニキビ肌の正しい洗顔方法と保湿のポイント」をご覧ください。
しっかり保湿
肌荒れが起きたときは、保湿に力を入れましょう。水分ばかりではなく適度な油分も補うことで、肌の水分が保たれバリア機能が整います。ただしニキビができているときは、ニキビを避けて塗ってくださいね。
保湿力が高く、肌荒れをケアする効果も期待できる敏感肌用化粧品でケアするのもおすすめです。特に、以下の成分が含まれている商品を選ぶとよいでしょう。
- ナイアシンアミド(ニコチン酸アミド):水分保持力、肌のバリア機能、肌荒れを改善する効果を持つ
- グリセリン:保湿効果が高いことで知られる成分
- ツボクサエキス:抗炎症作用があり、肌荒れの改善効果と保湿効果を持つ
ニキビが気になる人は「ノンコメドジェニックテスト済み」の表示がある、ニキビのもとになりにくい処方のスキンケア化粧品もおすすめです。
紫外線対策も忘れずに
UVAとUVB、2つの紫外線は、いずれも角質層のバリア機能に悪影響を与えます。紫外線は季節を問わず降り注いでいるので、日やけ止めは毎朝のスキンケアのルーティンにしたいですね。
前述の通り、日やけ止めは、敏感肌用・ニキビのもとになりにくい処方の製品がおすすめです。肌荒れの原因になりうる花粉や大気中微粒子からも守ってくれる日やけ止めだと、なおいいでしょう。
内側から肌荒れ改善を促す栄養素
肌荒れを解消して健やかな肌をはぐくむには、日頃から栄養バランスの取れた食事を取ることも大切です。肌荒れしているときは、以下の栄養素を積極的に摂取してみてください。
タンパク質
タンパク質は肌や筋肉、骨などの体を構成する細胞を作る栄養素です。肉、魚、卵、大豆などに多く含まれています。
ビタミンA
ビタミンAは肌を丈夫にし、うるおいを保つ作用があります。レバー、にんじん、春菊などに多く含まれています。
ビタミンB群
ビタミンB群には、皮脂の分泌を適正に保つ働きがあります。ビタミンB2・B6が不足すると肌が脂性になりやすいため、肌荒れしているときは積極的に摂取したい栄養素です。ビタミンB2は牛乳、卵、肉類、レバーに、ビタミンB6は豚肉、レバー、豆類に多く含まれています。
ビタミンE
ビタミンEは血管を拡張して血行を促進する働きがあり、ターンオーバーの乱れを改善する効果が期待できます。ナッツ類、うなぎ、卵などに含まれています。
肌もココロも元気に!ストレス発散TIPS
ストレスによる肌荒れを防ぐには、なによりストレスを溜めないことが肝心です。無理なく続けやすいストレス発散のTIPSを紹介しますので、自分に合ったものを見つけてみてください。
腹式呼吸をする
腹式呼吸は、いつでもどこでも思い立ったときにできるストレス発散方法です。ストレスを感じたとき、仕事が一段落したときなどに、以下の手順で実践してみましょう。
<腹式呼吸のやり方>
- 姿勢を正して座り、おなかに手を当てる
- 口からゆっくり息を吐き切る(6秒間)
- 鼻から息を吸い込む(3秒間)
1~3を1分ほど繰り返します。息を吐くときはおなかをへこませ、息を吸うときにはおなかを膨らませるように意識すると、より深い呼吸ができます。
適度な運動をする
運動はストレスを軽減する他に、心身のリラックス、睡眠リズムを整える作用などがあります。体を動かせば血流が改善し、ターンオーバーの促進効果も期待できます。
特に効果的なのはランニングやダンス、サイクリングなど、空気を体内にたくさん取り入れながら行う有酸素運動です。とはいえ、毎日これらの運動を取り入れるのは難しいかもしれません。
一日の終わりにはヨガやストレッチなど軽めの運動を取り入れ、時間の取れる週末にはウォーキングなどの有酸素運動をする――というように、自分が続けやすいスタイルで運動を取り入れてみてください。
また運動をして汗をかくことも、肌に良い効果をもたらします。汗は肌荒れを引き起こす悪玉菌の繁殖を防ぎ、肌のバリア機能を守る善玉菌のエサになってくれます。
肌と皮膚常在菌の関係について、詳しくは「美肌菌が肌状態を左右する!?敏感肌への影響と菌活スキンケアの効果」で紹介しています。
音楽を聴く
やさしくスローな曲は不安や緊張を和らげ、アップテンポの曲は、エネルギーや活力を与える効果があります。そのときの気持ちに合った、共感しやすい曲を選んでみてください。
ストレス発散のためには、何かをしながらBGMとして音楽を聴くのではなく、音楽を聴くことに集中するのがポイントです。もし歌うことが好きなら、カラオケボックスなどで思い切り歌ってストレス発散するのも良いでしょう。歌うときは自然と深い呼吸ができるので、イライラ解消にも効果があります。
まとめ
ストレスによって肌荒れが起きるのは、気持ちと肌が相互に関係していることの表れとも言えます。肌のコンディションがよければ気分が上がり、QOL(生活の質)の向上も期待できるでしょう。ストレスを少しずつ発散して溜めないようにしながら、肌荒れをケアする敏感肌用のスキンケア化粧品もうまく取り入れてみてください。