ニキビ肌こそ日焼け止めが必要!おすすめの日焼け止めの選び方や塗り方を徹底解説
ニキビが肌にできているとき、日焼け止めを塗っていいのか悩ましいですよね。しかしニキビがあるときの日焼けには、「ニキビ悪化の原因になる」「ニキビ跡がシミになる可能性がある」といった2つの問題があります。だからこそ、ニキビ肌には日焼け止めが必要です。日焼けが及ぼすニキビへの影響と、ニキビ肌におすすめの日焼け止めの選び方、塗り方を紹介します。
目次
日焼けがニキビの原因に?悪化しやすい理由は?
いくつかの研究では、ニキビの悪化は夏の間に起こることが示されています。日焼けはニキビの直接原因ではありませんが、ニキビができやすく悪化しやすい肌状態をつくってしまいます。まずは、その理由をひも解いていきましょう。
日焼けにより角質層が厚くなる
紫外線による刺激を受けると、肌のターンオーバー(細胞が生まれ変わるサイクル)が乱れ、肌表面の角質層が厚くなります。さらに次のような負の連鎖が起こり、ニキビの悪化につながっていきます。
- 紫外線の影響で厚くなった角質層が毛穴をふさぐ
- 毛穴の奥にある皮脂腺でつくられた皮脂が、毛穴の外に出られなくなる
- 毛穴が皮脂で詰まり、皮脂を栄養源にニキビの原因菌が繁殖しやすくなる
日焼けにより皮脂の分泌量が増える
紫外線の影響で厚くなった角質層は、水分保持力が弱く乾燥しやすい状態です。すると肌は、これ以上水分を逃さないように、皮脂を過剰に分泌することがあります。また紫外線は皮脂腺を肥厚させるため、皮脂の過剰分泌を招きます。
増えた皮脂で毛穴が詰まると、ニキビのもとになるコメド(面皰;めんぽう)が発生。そこにニキビの原因菌が繁殖すると、炎症が起きて赤ニキビになってしまいます。
日焼けによりニキビが悪化する可能性も
紫外線は肌を刺激する原因の一つ。刺激によってニキビの炎症が悪化してしまいます。
日焼けによりニキビ跡がシミになることも!
炎症を起こしたニキビ肌は、過剰な防御反応により、肌の奥にあるメラノサイト(色素細胞)でメラニン色素を過剰生成します。そのためニキビが落ち着いた後に色素沈着を起こし、シミになることがあります(炎症後色素沈着)。紫外線の影響が重なると、より炎症後色素沈着を起こしやすくなるので注意しましょう。
紫外線にはUVAとUVBがあり、特に影響が大きいのはUVAです。UVBは肌表面に影響を与え、夏の日焼けの原因になる紫外線。一方のUVAは一年中降り注ぎ、肌の奥深くまで浸透します。UVAはメラノサイトを直接刺激するため、メラニンの過剰生成が著しく促進され、シミができやすくなるのです。
ニキビ肌におすすめの日焼け止めの選び方
ニキビをつくらない、悪化させない、ニキビ跡をシミにしないためにも、日焼け止めを塗って肌を守ることは大切です。ニキビが気になる人が日焼け止めを選ぶときは、
- 敏感肌用
- ニキビのもとになりにくい処方
- 花粉や大気中微粒子から守る効果
- 保湿効果
などに注目してみましょう。
敏感肌用の日焼け止め
ニキビができている肌は、炎症を起こしていてデリケートな状態。肌へのやさしさを考えてつくられた、敏感肌用の日焼け止めがおすすめです。以下のような表示があるかチェックして選ぶとよいでしょう。
- 敏感肌用
- 皮膚科学的テスト済み
- 皮膚科医の協力のもとテスト済み
- アレルギーテスト済み
日焼け止めには、紫外線吸収剤(ケミカル)または紫外線散乱剤(ノンケミカル)のどちらか一方を使用したもの、両方を使用したものがあります。紫外線吸収剤は刺激が強く、紫外線散乱剤は低刺激だと思われがちですが、「どちらか一方が絶対に良い・悪い」とは言い切れません。
現在ではテクノロジーの進歩により、紫外線吸収剤配合でも敏感肌に使用できる日焼け止めが多く販売されています。
ニキビのもとになりにくい処方の日焼け止め
「ニキビのもと」とは、毛穴に皮脂が詰まってできるコメド(面皰;めんぽう)のこと。「ノンコメドジェニックテスト済み」の表示がある日焼け止めは、ニキビのもとになるコメドができにくいことをテストで確認済みの製品です。
大気中微粒子や花粉から肌を守る日焼け止め
前述したように、肌への刺激はニキビの炎症を悪化させます。紫外線のほか、PM2.5を含む大気中微粒子や花粉などの汚れも、肌を刺激することがあります。これらの肌の付着を、物理的に防御できる日焼け止めもおすすめです。
保湿効果もある日焼け止め
肌が乾燥していると皮脂分泌が過剰になりニキビにつながるため、保湿効果も大切です。うるおいのある肌はバリア機能がはたらき、乾燥している肌よりも紫外線の影響を受けにくくなります。保湿効果が高い日焼け止めを塗っておけば、より長時間うるおいを保つことができるでしょう。
伸びのいい日焼け止め
肌をこするような行為も肌の刺激になり、ニキビの悪化につながります。スーッとなめらかに伸びる日焼け止めなら、摩擦を起こしにくく肌への刺激が抑えられます。
石けんで落とせる日焼け止め
ニキビがあるときは、必要以上に肌に触れないほうが望ましいです。クレンジング不要で石けんだけで落とせる日焼け止めなら、肌に触れる回数が減り、刺激の軽減になります。
UVAとUVBをカットできる日焼け止め
ニキビ肌の刺激になりにくいだけでなく、しっかり紫外線をカットできるかどうかも肝心です。SPFとPAの両方の値をチェックしましょう。
SPF値 | PA値 |
---|---|
UVBから肌を守る効果の目安 | UVAから肌を守る効果の目安 |
1~50+で表示 数値が大きいほうが効果が高い |
+から++++まで4段階で表示 +が多いほうが効果が高い |
SPF値とPA値が高いほど肌への負担が大きい、と懸念する人もいるかもしれません。しかし現在は、敏感肌用でも使える製品が多く販売されています
トーンアップ効果のある日焼け止めもおすすめ
トーンアップ効果のある日焼け止めは、肌の色ムラやくすみ感、毛穴などを自然に補正してくれます。「ファンデーションは塗りたくないけど、なるべく肌をきれいに見せたい」というときにおすすめです。
日焼け止めの塗り方(ニキビがあるときの注意点)
日焼け止めの効果を最大限に引き出すには、日焼け止めの使用量と塗り方が大事です。ニキビがあるときは、こすらずに優しく塗ることを心がけましょう。
日焼け止めの適量を守る
使用量が少ないとムラ塗りになりやすく、効果が半減してしまいます。クリームタイプの日焼け止めの適量は、パール2個分程度を目安。日焼け止めのタイプ(乳液タイプやジェルタイプなど)によって適量は異なるので、パッケージで確認してみてください。
5点置きしてから丁寧に塗る
塗りムラや摩擦を避けるために、部位ごとに少しずつ丁寧に塗りましょう。
- パール2個分の日焼け止めを手のひらに取る
- おでこ・鼻先・両頬・あごの5点にのせる
- 顔の内側から外側に向かって、中指・薬指を使って優しく伸ばし肌になじませる
- 敏感な目元・口元は特に優しく塗る
特に日焼けしやすい頬とTゾーンは、さらにパール1個分をとり、重ね塗りするのがおすすめです。
日焼け止めを優しく落とす、ニキビ肌の洗顔方法
日焼け止めだけで過ごした日であっても、1日の終わりには洗顔料を使い、きちんと汚れを落としましょう。時間がたった皮脂や日焼け止めなどの汚れは、肌を刺激してニキビが悪化する原因になります。洗顔のポイントは大きく3つ。
- 洗顔料に少しずつ水を加え、気泡が小さくきめ細かい泡をつくって洗う
- 洗う時間は10秒ぐらいが目安。優しく大きな円を描くように洗う
- すすぎは泡が完全になくなるまで、7~8回を目安に入念にすすぐ
詳しくは「【動画で解説】ニキビ肌の正しい洗顔方法と保湿のポイント」で紹介しています。
ニキビ肌に適した日焼け止めを選び悪化を防ごう
紫外線はシミやシワなどの光老化を招くほか、ニキビに悪影響を及ぼします。ニキビを気にして日焼け止めを塗らないでいるより、敏感肌用の日焼け止めを塗っておくほうが、すこやかな肌のためにはプラスに。洗顔・保湿・紫外線対策の3つを実践しつつ、それでも繰り返すときは皮膚科医に相談しましょう。