ニキビの種類とでき方を押さえよう!悪化させないための基礎知識
ニキビは面皰から始まり、炎症が起きて悪化していきます。ニキビがどのようにできてくるのかを踏まえると、適切なスキンケアを考えやすくなります。また、思春期ニキビと大人ニキビに違いがあるのかも知っておくと、悪化する原因に気づきやすくなるかもしれません。これらのテーマについて、皮膚科医の小林美和先生に詳しく解説していただきました。
「思春期ニキビ」と「大人ニキビ」はどう違う?
思春期でも、大人でも、ニキビ(尋常性ざ瘡)という病気そのものに変わりはありません。しかし、年代によってニキビができやすい部位が異なるので、一般的に「思春期ニキビ」や「大人ニキビ」と呼ばれることがあります。
思春期ニキビの特徴
よく知られているように、思春期のニキビは顔面の上の方、すなわち額、こめかみにできやすいのが特徴です。年齢とともに頬、鼻にも出てきます。小さなニキビがたくさんできる傾向があります。
大人ニキビの特徴
思春期を過ぎて大人になると、口の周りやあごの周りにニキビが出やすくなります。数は少なくても、大きくなったり硬く腫れたりして、治るまで時間がかかったり同じ場所に繰り返しできたりする傾向があります。
大人ニキビは外的要因も疑ってみる
たとえば、大人なのに額やこめかみにたくさんニキビができる場合には、何らかの外的な要因があるのではないか…と疑います。例えば、油っぽいスキンケアやヘアケア製品を使っていないか、毛穴を閉塞するような成分が付着していないか、などです。
また、最近よく目にするのが、マスクに関連したニキビです。マスクで覆われて蒸れる部分にニキビが出たり、マスクが当たる部分の摩擦でニキビが出たりします。このように外的な原因があると、起こりやすい部位ではないところにもニキビができることがあります。
ニキビはどのようにできてくる?
健康な皮膚の表面は、常に皮脂の膜で覆われています。皮脂は毛穴の内側にある皮脂腺から分泌されています。思春期になると、活発に分泌される性ホルモンが皮脂腺を刺激するため、皮脂の分泌量が増加します。
それと同時に、毛穴の角質細胞が増える(角化)ため、皮脂が毛穴から排出されにくくなり、毛穴が詰まります。このように毛穴が詰まっている状態のことを「面皰(めんぽう)」といいます。
面皰は「ニキビのタネ」
顕微鏡で面皰を観察すると、ニキビになる変化が始まっていることが分かります。面皰はいわば「ニキビのタネ」のような状態なのです。ニキビができるときに面皰という状態を経ることは知っておきましょう。
ニキビの種類と特徴・進行過程
ニキビには、白ニキビ・黒ニキビ・赤ニキビ・黄ニキビなどの種類があると言われますよね。それぞれどんな状態で、どのように進行するのかご紹介します。
炎症のない白ニキビと黒ニキビ
面皰には開放面皰と閉鎖面皰の2種類があります。毛穴が開いて見える開放面皰を「黒ニキビ」と、毛穴が閉じて見える閉鎖面皰を「白ニキビ」と呼んでいます。
赤みや腫れがみられない状態の面皰を「炎症のないニキビ」と呼んでいます。
炎症を起こした赤ニキビ
面皰になった毛穴の中でアクネ菌などが増えて炎症を起こすと、赤く盛り上がった赤ニキビ(炎症性のニキビ)になります。
炎症は、人体に対して何らかの障害を起こすものに対しての防御反応です。ニキビの場合は、アクネ菌などの菌や、変性した皮脂が炎症をひき起こすことが知られています。赤くなって腫れたニキビは、炎症を起こしたニキビです。
炎症によって悪化した黄ニキビ
炎症がさらに進行すると、化膿して膿疱になります。皮膚の中に膿がたまった状態なので、周りの皮膚も傷んでしまい、ニキビ跡が残ることがあります。
ニキビの発症や悪化を防ぐためのスキンケア
ニキビができる原因はさまざまですが、できてしまった後は悪化させないように、適切なスキンケアを行うことが大切です。スキンケアのポイントは、
● 洗浄剤を用いて優しく顔を洗うこと
● 洗浄後の乾燥を防ぐために化粧水などを使って保湿すること
● 皮膚を傷める紫外線の対策を行うこと
です。この3つができているかどうか、確認してみてくださいね。
スキンケアについて、詳しくは「ニキビ対策の勘違いを払拭!セルフケアと食事や睡眠の注意点」の記事をご覧ください。
ここでは、ニキビの種類や悪化する過程について解説しました。ニキビがどのようにできてくるのかを知り、適切なスキンケアができるようになるといいですね。